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DADA MORE 着工延期に

2016年4月26日 | DADA MORE,DIARY

美容室「DADA MORE」プロジェクトで小倉の川原建設へ。本来なら今日は、クライアントと工務店が工事契約を交わし、GW明けに着工するという段取りだったのですが、昨日、入居予定のテナントの家主が固定資産税を滞納しており、土地と建物が北九州市から差し押さえられて、賃貸契約を結ぶにも結べない状態となっていることが判明。こんなこともあるのかと、クライアントと工務店と天を仰ぎましたが、差押が抹消される期待は薄そうなので、新たにテナントを見付けるところからやり直すしかありません。

というわけで、ここまで作成した図面や模型はお蔵入りとなってしまうわけですが、ただお蔵入りにするのはもったいないので、このブログで公開することにします。

まずは最初のプレゼンでクライアントにお見せした初期案の模型写真です。ファザードに大きなガラスの開口部をつくり、店舗の前面にある緑をとりこんで、公園のような開かれた雰囲気のお店にしようという提案です。待合の椅子とテーブルをベンチ風にして、パーティーやセミナーを開くなど、気軽に集まれる地域のサロンとなることを意図しています。しかし、残念ながら機能的に使いにくい部分があるとのことで却下となった案です。

初期案 内観-1

初期案 内観-2

次の2枚は、クライアントに指摘された機能的な問題を解決した案で、これが実施案でした。何回も打合を重ね、実施設計もほぼ完了していたのですが、実現することがなくなり残念です。しかし、これまでの成果が、全く無駄になるわけではなく、新しいテナントでの計画に活かされる部分もあるかと思います。新しいテナントが見つかったら、良い店ができるよう、また頑張りたいと思います。

実施案 内観-1

実施案 内観-2


北九州市立中央図書館見学

2016年4月14日 | DIARY

打合せで北九州へ。一昨日、熊本で大きな地震があり、昨夜も大きな揺れがありましたが、九州自動車道の福岡-小倉間は問題なく走行することができました。お昼に打合せが終わり、天気も良いので、このまま帰るのはもったいなく思い、北九州の磯崎新設計の建築を見て帰ることにし、北九州市立中央図書館(1974)へ。

北九州市立中央図書館 外観

北九州市立中央図書館 内観

この建築は15年くらい前に一度見学したのだが、そのときは外壁が改修中で内観しか見ることができませんでした。今回は外部も見ることができましたが、やはりこの建築の魅力は内部空間にあります。磯崎新は、つくばセンタービル(1983)でポストモダニズムの旗手と呼ばれようようになりましたが、初期の作品からポストモダン的な傾向があり、この建築も新古典主義の建築家エティエンヌ・ルイ・ブーレー(1728-1799)の「王立図書館再建案」を下敷きにしていることを磯崎本人も認めています。

王立図書館再建案

この建築は、ユークリッド幾何学によって構成された平面に、ヴォールトという古典的な建築要素を屋根に載せ、それをプレキャストコンクリートという近代的な構法によって組み立てられています。新国立競技場で話題になったザハ・ハディドのように、3次曲面による自由な造形も良いですが、僕はやはり造形だけが突出した建築よりも、こういう設計者の意図が読み取れる建築の方が好きです。しかし、コンピューターが発達している現在、3次元的な形態が新たな建築のボキャブラリーとして定着しようとしているのかもしれません。ユークリッド幾何学だと設計者の意図が読めて、三次曲面だと意図が読めないなどとは言ってられない時代になりつつあるのかもしれません。近年の磯崎建築も3次曲面が多用されています。

15年ぶりに見ると、細部に関しては15年前とは見るところが違ってきます。15年を経て、僕も少しは実務家として成長したのかもしれません。館内には模型も展示してありました。こういうのを見ると、学生時代を思い出します。こういう模型をバイト先でよく作ったものです。映画『図書館戦争』のロケに使われたので、映画を紹介するコーナーもありました。

北九州市立中央図書館


ザハ・ハディド死去

2016年4月2日 | COLUMN,DIARY

GA ARCHITECT ZAHA HADID

ザハ・ハディドが亡くなった。あまりにも突然のニュースだった。65歳だったそうだが、60代というのは建築家が最も脂がのる時期でもある。アンビルドの女王と呼ばれたザハも、施工技術の発達とともにそのデザインは実現可能となり、これから沢山の作品を残せたであろうに、本当に残念だと思う。

ザハが描いたドローイングを初めて見たのは、予備校に通っていたときだった。浪人しているというのに、未だに僕は進路に迷っていた。予備校の理系のコースに通いながら、やっぱり美術系に進みたいなとも思っていた。「理系で美術が得意なら建築学科に行くのが良い」と何人かの人に勧められたが、どうもその建築というのがピンと来ない。本当に美術に関係する仕事ができるのだろうか?そこで大型書店の建築のコーナーに足を運んでみた。

建築家の作品集が並んでいる。「へー、有名な建築家になると、作品集が出版されたりするのか」など思いながらたまたま手に取ってみたのが、安藤忠雄とザハ・ハディドの作品集だった。安藤忠雄の建築は美しい建築だなと思った。こんな空間を作れるのなら、建築も悪くなさそうだ。ザハの作品集にはドローイングしか載ってなかった。当時はまだ実作が無かったからだ。ザハの描いたドローイングは訳が解らなかった。後に、それが脱構築と呼ばれている建築表現だと知ることになるのだけれども。しかし、そのドローイングには圧倒された。建築学科がこんなドローイングを描いたりできるところなら、目指してみようかなと思うようになった。その時のザハの作品集『GA ARCHITECT ZAHA M. HADID』は今も手元にある。ご冥福をお祈りいたします。

GA ARCHITECT ZAHA HADHID